DIARY 2019-10-02 基礎

こんばんは、佐倉愛斗です。
名古屋コミティアの新刊の入稿と入金が終わりました。

脱稿したことにより小説を書き上げるとやってくる「もっとうまくなれる」としんどくなるシーズンが順調にやってきまして。
このまま立ち止まってるわけにはいかない、と小説執筆のための技能の基礎固めを始めました。

どのような方法で基礎固めをしているのか少しばかり紹介していきます。
あくまで僕が個人的に行っていることですので効果は個人差があり、必ず技能が向上することを保証することはできません。
「こんな方法もあるよ」という例ですので楽な気持ちでお読みください。

目次

新聞看板コラム書き写し
付箋貼り読書
映画鑑賞
スクラップブック
それぞれの関係

■ 新聞看板コラム書き写し

「新聞看板コラム」とは新聞の1面にあるコラムのこと。(以下、コラムと表記)
例を上げるなら「天声人語」や「余録」のことです。
このように書き写し、意味が曖昧な語句をマーキングして調べ、簡単に要約します。

高校生のとき、現代文の課題で毎回コラムの書き写しがありました。
そのときに現代文の先生がおっしゃっていたこと。
「コラムは日本語力のある人が日本一集まる新聞社で一番日本語力がある人が書いている日本一日本語力の高い文章」
このように評していました。

当時は時間のかかる嫌な課題、くらいの感覚だったのですが、いざ小説を書いてる今の自分がやると得ることは多いです。

  • 基礎的な文法
  • 語彙
  • 句読点のタイミング
  • 自分の文章の悪癖の改善
  • 全体を通した構成、文章の展開
このような基礎の基礎を再確認できています。
時間は30分ほど。日々の習慣にしてレベルアップしたいな!

■ 付箋貼り読書

今までももちろん読書をしてきたわけですが、「物語を楽しむため」ではなく「作品を深く考察し、自分の力にするため」の読み方を始めました。

用意するものは本と細めの付箋紙。
図書館などにある古い本は付箋を剥がすときに本を傷つけてしまうことがあるため、必ず自分が所有している本で行うようにしてください。
付箋の貼り方のルールは2つ。
  1. 好きだと思った言葉やシーンの箇所は縦
  2. 意味が曖昧な語句や言いまわしの箇所は横
たったこれだけです。

1.は僕の記憶力が低いのもあって、素敵な文を見つけてもすぐには覚えられないための対策です。
気持ちとしては「このシーンエモいよ!」とプレゼンする箇所を探すような感じです。

2.は読んでいる途中で意味を調べていては物語に集中できないので印だけつけておくという意味です。
その日の読み終わりにノートへまとめて書き出して後で意味を調べています。

また読んだあとには読んで感じたもの(いわゆる感想や内容に関する考察)ではなく、考えたもの(表現方法などの技能的なもの)をノートにまとめています。

単純に読書を楽しみたいだけならここまでしなくてもいいとは思いますが、濃い読書にしたいので続けていきます。

しかし読書ってすごいです。
自分の小説のどこが足りないのかすぐに気付かせてくれるので、やはり良い文章は良い読書からですね。

■ 映画鑑賞

映画は1本の完結した長編ストーリーとして完成されています。
物語の展開や緩急などの勉強にもってこいですね。

方法は、家で映画を観る。
そして観ながら映画のあらすじとプロットを作ってみる。

こうして構成の型を身につけていきたいところです。

■ スクラップブック

スクラップブック作りを創作に役立たせるという方法は『ブルーピリオド』という漫画から着想を得ました。
作品を作るときのモチーフや、自分の「好き」を知るために、気に入ったものは何でもスクラップブックに入れています。

読書で付箋を貼った文の特に好きな部分を書き写したり
好きなデザインのものを貼ってみたり
新聞や雑誌などの記事の切り抜きを作ってみたり

そうやって「好き」を集めて物語のエッセンスにしています。

■それぞれの関係

コラム書き写しと映画鑑賞で物語の技術や型を学ぶ。そして読書とスクラップブックで物語の内容となるエッセンスを手に入れる。
その二本立てで行っています。
読書は小説だけでなく詩集や学術書、写真集や画集、漫画も読んでいます。

読みやすい文章、かつ、美しい文章

それが今の僕が目指すところです。

まだ結果は出ていませんが、少しでも前に進んでいるんじゃないかという実感はあります。
基礎を学んでよりよい文章を作れるようになります。

文章を書く人にとって少しでも参考になりましたら幸いです。