愛知サマーセミナーに参加しました

こんにちは、佐倉愛斗です。
本日は愛知サマーセミナーにて講師として講演会をしました。
テーマは『LGBTを書くということ』
僕がどんな思いで作品を作っているかという話を高校生相手にさせていただきました。
とてもよい経験となりました。ありがとうございました。

以下、講演原稿です。

LGBT を書くわけ ―ありふれた人々―

佐倉愛斗

僕は小説を書いています。書き始めたのは中学三年生の時。初めて書いたお話はゲイの男の子の恋の
話でした。ゲイとは男性に恋愛感情を抱く男性のことです。彼はゲイであることで苦しい思いもしましたが、
慕ってくれる後輩や女性に恋愛感情を抱く女性、レズビアンの親友に支えられて幸せな恋をします。
このように僕の小説にはゲイやレズビアンといったセクシャルマイノリティの人々が登場します。それが僕に
とっては自然なことなのです。
僕の話を少しします。
僕はバイセクシャル、両性愛者です。男性と恋をしたこともあれば女性と恋をしたこともあります。また、
身体の性別は女性ですが、女性でも男性でもない生き方をしたいと望んでいます。
こんな僕は少数派かもしれません。しかし、ありふれた一人の人間です。
中学生の時、はじめて恋をしました。相手は同性である女性。どうしよう、と不安になりました。
しかしそんなとき、男の子のクラスメイトに「僕は男の子が好きかもしれない」と打ち明けられました。彼は
小学生の頃からずっと一緒にいた親友です。僕は「僕も好きな女の子がいる」と打ち明けました。
二人で顔を見合わせて「なんだ、変なことじゃないんだ」と笑い合ったのを覚えています。
それから、初恋の相手とは違う女性と恋をして、付き合い始めました。
僕は一切隠しませんでした。男女で付き合うことと同性同士で付き合うことに何の違いがあるのだろう、
と。
その結果、僕は多くの友人に「実は、」とカミングアウトされることになりました。
クラスメイト、部活の先輩後輩、周りの大人。何も特別なことではなくて、ありふれたひとつの性の在り
方でしかないのだと僕は知りました。
この世界には様々な性があって、それらは平等に存在しているのだと体験しました。
カミングアウトをするうちに僕は同性愛やトランスジェンダーを扱った物語を好んで読むようになりました。
カミングアウトした友人に勧められたことがきっかけです。
物語の中で、登場人物たちが様々な恋をする。僕にとってとても勇気づけられることで、この世界に自
分自身が存在していることを許されるような気持ちになりました。
そして小説を書くことにしたとき、こう決めました。
「どんな性別の人でもありふれた存在として書く」
同性愛やトランスジェンダーという性が特別なものではない。どこにでもいる存在なのだと僕は小説を通
して伝えていきたいです。
小説を発表するとき、作品の傾向として「セクシャルマイノリティを扱っています」と紹介することがありま
す。伝えることで興味を持ってくれたり、僕のようにセクシャルマイノリティを扱っている作品に救われる人も
いるからです。
しかし僕はいつか、わざわざ「セクシャルマイノリティを扱っています」と言う必要がなくなることを望んでい
ます。何も特別なことではない、ありふれた作品なのだと思って欲しいからです。
特別じゃないありふれた人々の話をこれからも書き続けます。